28歳のとき、41歳年上の伝説的漫画家・真崎守氏と結婚した漫画家の恋池りもさん(44)。結婚から3年後には真崎氏が認知症を発症し、10年以上、介護と仕事の両立を続けている。

 そんな2人の日々を綴ったエッセイ漫画『だからわたしは41歳年上の夫と暮らしてます』を上梓した恋池さんに、真崎先生との現在の暮らしや、「夫婦」の枠にハマらない独自の関係性などについて、話を聞いた。(全5回の5回目/1回目から読む

恋池りもさん ©佐藤亘/文藝春秋

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「私のことを忘れちゃった」認知症が発覚した夫の現在の状況

――結婚から3年後の2013年、真崎先生のアルツハイマー型認知症が発覚したそうですが、現在の状況はいかがですか。

恋池りもさん(以下、恋池) 私が仕事に出ているときに先生が転倒してしまって、それが原因で2年半前、慢性硬膜下血腫になってしまったんです。

 血腫が脳を圧迫したことで大好きだった歌が歌えなくなったり、言葉が出ないみたいな症状が急激に進んでしまって。

――はい。

恋池 で、その手術がコロナ禍だったことで2週間面会できなかったんですけど、その間に、私のことを忘れちゃったんです。

名前を忘れていたので、改めて自己紹介して記念撮影した際の写真(恋池りもさん提供)

――説明しても思い出さないままですか。

恋池 病院に迎えに行く日に、「私は慶子といいます。先生と結婚してるんですよ」って自己紹介して、記念撮影もしました。先生は「そうか~」って感じで、今もまだ私の名前もわかってないです。

 でも、繰り返すことで新たに覚えることはあるみたいで、車に乗って「シートベルトを締めるね」っていうのを毎日やってると、何も言われなくても時々自分から「シュッ」と締めるんです。体を使うことだと、新しく覚えることもあるみたいですね。