「私が認知症を治してやる!」怪しい健康法にすがり、高額な野菜を買ったことも…
――投薬治療をはじめたそうですが、どんな変化がありましたか。
恋池 薬のせいなのか、なだらかに少しずつできることが減っていくような感じで。
ちょっと遠くのスーパーに行けなくなり。でも、まだ近くのお店は大丈夫。で、そのうちに近くのお店にも行けなくなってしまって。先生は料理が得意だったので、最初のうちは言われたら包丁で刻むことはできたけど、そのうち説明しても難しくなっていきましたね。
――近くで先生の変化を見るのはつらかったのでは。
恋池 それこそ最初の2年ぐらいは、「私が認知症を治してやる!」くらいの勢いで、1人でめちゃくちゃ抗ってたんです。怪しい健康法にすがって、すごい高い野菜を買ったりもしました。
でも今思えば、そうやって忙しくすることで、悲しみやショックを感じないようにしてたんですけど、結局それで倒れちゃって。
両親に相談したら「ちょっと悲劇のヒロインぶりすぎ」と言われ…
――恋池さんが倒れてしまったんですか。
恋池 そうです。道端で倒れちゃって。で、家に帰ったら今度は涙が止まらず、パニック障害みたいな感じになっちゃったんですね。
当時は、漫画もやめて生活費を稼ぐための仕事に切り替えて、2度と心から笑えなくてもいいから、とにかく先生との生活を守るためだけに生きていこう、みたいな感じだったんですよ。
で、周りに相談することもなくそんな勢いで2年くらいやってたら限界がきて、両親のところに駆け込んだんです。
――両親はなんと?
恋池 親は私が漫画をやることに賛成していたわけじゃないんですけど、そのとき、「漫画は続けなさい」って言ってくれて。で、「最悪、今住んでいる家を売ればどうにかなるでしょ。あんた、ちょっと悲劇のヒロインぶりすぎ」と、客観的な意見がもらえたんですよね。
それで楽になって、アシスタントや知り合いの先生にも相談するようになり、仕事を紹介してもらったり、サポートとつながることが出来た感じです。

