家族や友だちは「お前は死にたいのか!」と大反対
――住みたいと思うほどのニューヨークの魅力とは何だったのでしょう。
こりんご よく聞かれるんですけど、なんというかもう空気感、肌感が全然違ったんですよね。
で、うちの親に「ニューヨークに移住したい」と話したんですけど、そのときが2002年で、「9.11」の翌年だったんです。
――アメリカ同時多発テロ事件。
こりんご 家族や友だちから「今ニューヨークで暮らすなんてお前は死にたいのか!」と大反対されて。
親は、私が田舎の子だから大都会に憧れているだけと思ったようで、「ニューヨークじゃなくても、東京でいいじゃないか」って言うんですけど、私にとって東京はニューヨークとは似ても似つかない場所で。
――東京に住みたいと思ったことはあったんですか。
こりんご 一度もなかったですね。それこそ、後にロサンゼルスとか他の大都市にも行ったんですけど、自分にクリティカル・ヒットしたのはニューヨークだけだったんです。
周りから大反対はされたけど、1週間くらいの旅行じゃ全然気がすまなくて、就労ビザを出してくれるスポンサーを探してみたら、1年半限定のビザを出してくれる歯医者さんが見つかったんです。
やったこともなかったダンスやバンドにチャレンジ
――日本の歯科衛生士の資格はアメリカでも使えるんですか?
こりんご 残念ながら歯科衛生士の国家資格はアメリカでは適用されないので、格下げでデンタルアシスタント、歯科助手になってしまったんですけど、歯科衛生士という地位を投げうって、給料減額になってでも住みたい街だったのがニューヨークなんです。
で、実際にニューヨークに住んでみたら、やりたいことが次から次へと出てきちゃって。日本の友だちに驚かれるんですけど、こっちに来てからダンスを始めたり、音楽も始めてバンドを組んだり。どれも日本にいたときはやったこともなかったんですよ。
――ニューヨークでの生活でエネルギーが湧いてきたと。
こりんご 実家は群馬県なんですけど、日本にいたときは考えもしなかったようなことでも、「できるよ」って思わせてくれる街だし、実際に実現できちゃうんですよ。
1年半の滞在時にいろんなコンサートやローカルバンドのライブショーを、見に行く機会がよくあったんですけど、「今度は見るだけじゃなくステージに立ちたい」と思っちゃって、すぐギターを習いはじめて。
――すごい行動力ですね。
こりんご ただ、ニューヨークってすごく狭い街でなかなかスペースがないから、場所をとるドラマーは不足しがちで、どこのバンドもドラマーばっかり募集してたんですね。
それで、「ドラマーになったらバンドに入れるかも」と、ギターからドラムにスイッチしたらすぐバンドに入れてステージに立てちゃって。なんというか、そういう街なんですよ。
