採卵直前に「卵が全然ない」
――逆に、面会をOKにしているドナーさんだったら実際に会えるんですか?
こりんご ドナーには「子どもには会えますか」「子どもの親にも会えますか」という設問があって、「イエス」だったら面会もできるんですけど、日本人のドナーさんの場合、ほぼ100%、「ノー」の回答だったんです。
その上、エージェントはドナーが卵子を譲渡したらミッションコンプリートなので、ドナーをどんどん回したいわけです。だから、「この人はどう?」「この人もいいよ」と、とにかく急かされて。
そういうエージェントの対応にも疑問を持ちましたが、こちらも時間がないので、そのドナーさんと2022年の5月に契約して、早ければ6月にも採卵、2022年内には妊娠できるかもとなったのに、6月の採卵日の数日前に「卵が全然ない」と連絡があって。
――採卵自体ができなかったとか?
こりんご 事前の検査では16個くらい確認できていたんですけど、採卵前の健診で卵胞が半分以上なくなっていて、結局キャンセルになってしまったんです。ドクターいわく、ドナーが卵を育てるための薬を打ち忘れたんじゃないかと。
ビジネスとしてやっているならビジネスとしてしっかり対応してほしかったけど、ドナーはプロフェッショナルではないわけですよね。
で、卵が取れない場合でも、ドナーの医療費はこちらが払わないといけないので、レシピエント(提供を受ける患者)は本当に弱い立場なんだと痛感しました。基本的にエージェントの言いなりになるしかないので、ここはもうちょっと制度をどうにかしてほしいですね。
――その後はどのように卵子提供が進んだのでしょう。
こりんご このドナーさんが次に採卵できた9月に13個の卵子を譲渡していただきまして、夫の精子と受精させ、12月に私の子宮に戻しました。
でも残念ながらこのときは着床せず、翌年の23年2月に再びチャレンジして、やっとその子が育ってくれて。その時点で、私はもう49歳になっていました。
――20代後半から「いつかは」と考えていた妊娠がわかった瞬間、どんな気持ちに?
こりんご 妊活が長かったので、やっと妊娠できたという安堵感と、何度も陰性続きだったので本当に妊娠できたのかという驚きもあったと思います。
あとは、49歳のハイリスク妊婦であることは間違いないから、やっぱり慎重といいますか。
