――日本だと「血のつながり」が重視される傾向が強いですが、卵子提供を受けたこりんごさんでも、DNAについて考えてしまう瞬間はありますか。

こりんご 産休・育休に入るとき会社に提出する書類があったんですけど、「誰のための育休か?」というチェックボックスに、「Biological Child(実子)」「Step Child(義理の子ども)」「Foster Child(里子)」「Adopted Child(養子)」と選択肢があったんですね。

 で、「Biological Child」という文字を見たとき、ウッとなってしまって。

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――日本語訳の「実子」よりさらに突きつけられるものがありそうですね。

こりんご 「Biological Child」って書かれちゃうと、生物学的なつながりを証明せよ、って言われているような気がして、瞬時にチェックを入れられなかったんですよね。

 ふだん子どもと一緒にいるときは、卵子提供を受けたことなんて一切思い出さないんですけど。

――時々、思い出させるような出来事が?

こりんご そういう公的な書類もそうですし、今後は「ママに似てないね」と言われることもあるかもしれない。

 まぁ、親子で似ていない人たちもいるので、そこまでは気にしていませんけれど。逆に、卵子提供とは知らずに「ママに似てるね」って言われると嬉しいけれど、遺伝子繋がってないんだよなって思い返したりして、そういう場面で、いちいち「卵子提供だった」と振り返らされることはあります。

――なるほど。

いつどうやって産むかを他人が押し付けてくるのはおかしい

こりんご でも、自分の決断を思い返してみると、最初は自分と血のつながった子どもがほしくて、何百万と不妊治療に費やして。でも、それが叶わないとわかって卵子提供に踏み切って。

 なんで最後に卵子提供を選んだのかと言えば、自分の遺伝子を残したい気持ち以上に、子どもを身ごもる体験をして、自分で育ててみたい気持ちが強かったからなんですよね。私の選択肢に最初から養子縁組がなかったことも、まさにそういうことなんです。

――「卵子提供を受けた」と言うと、「親を必要としている子どもはたくさんいるのに、人の卵を使うなんてけしからん!」みたいな声もあるそうですけど。

こりんご 「人様の卵をもらうくらいなら養子縁組すべき」みたいなコメントはしょっちゅうありますね。

 一見もっともらしく聞こえますけど、「卵子提供=悪」という決めつけもどうかと思いますし、いつどうやって産むかという選択を他人が押し付けてくるのはおかしいよね、と。