B子さんを湯船に沈めて…
染谷はうつ病と診断され、1カ月ほど静養していたが、「もう少し頑張ってみる」と言って、B子さんと同棲していたマンションに戻って行った。
事件前にB子さんは染谷を精神科に連れて行き、向精神薬を処方してもらっていた。染谷は求人サイトで新しい仕事を探していた。その一方で、「死刑になるにはどうしたらいいか」などを検索していた。
事件前日、B子さんは終電に乗って店を退勤した。日付をまたいだ未明、染谷と一緒に風呂に入り、何らかのタイミングで湯船に沈められ、溺死させられた。
午前7時28分、染谷はマンションを出て、近所の刃物店で包丁を購入した。それをタオルでグルグル巻きにして単独でカラオケボックスに入った。
そこを午前9時36分に退店して、A子さんを呼び出して合流。事件現場となるカラオケボックスに入った。それから午前11時34分に警察に通報するまでの間に、A子さんを滅多刺しにして殺害。
逮捕直後は「死にたいと思ったけど、自分で死ぬのは怖い。2人を殺して死刑になろうと思った」などと供述した。
染谷の鑑定医は「幼少期から自閉スペクトラム症の症状を見せ、それがうつ病発症に至っているが、事件の動機は拡大自殺とみられる。犯行は幻覚や妄想に支配されていたものではなく、自分自身の意思に基づいた行動であり、犯行時は軽度うつ状態にあり、それが解離性健忘の状態に移っていったものであると考えられる」と結論付けた。
染谷は2件の殺人罪で起訴され、いずれも起訴事実を認めたが、A子さんの事件については「自分でもまったく分からない。自分が死ねば、すべて消えてラクになると考えたかもしれない」と述べ、B子さんの事件については「動機が分かっていたら、こうなっていない。憎かったということはない。いろんなことが重なって……」などと述べた。
つまり、犯行自体を覚えていないから、理由も動機も説明できないと言うのだ。