「ご遺族様のことを考えると、自分は死ぬべきだとしか思えない。でも、家族をバラバラにしてしまって、自分が死んで終わるというのも違うと思う。自分がやったことは間違いないが、犯行を覚えていないのが申し訳なくて……」

 染谷は公判が始まってから体調不良を訴え、車椅子で入廷するようになった。被告人質問が行われる当日は過呼吸に陥り、公判自体が中止されるという出来事もあった。白髪が増え、前屈姿勢で公判に臨み、まるで老人のようにやつれていた。

加害者が裁判で漏らした「後悔の念」

 それでも公判では謝罪の言葉ばかり述べた。

ADVERTISEMENT

「それで今は何を反省してる?」

「自分のしたことをすべて理解して、すべて踏まえて生きることだと思うけど、自分には反省という言葉はなくて、してしまったこと、取り返しがつかないこと、その人の命はその人のものだけじゃないと思い続けて……。精神鑑定でも自分のことを知るために話しました」

「自分の苦しみを優先して話したということか?」

「優先じゃなくて、自分は考え続けるしかなくて、裁判が終わっても自分の見えないところでこれだけの人が苦しみを抱えていると……。そう思わせてしまったならすみません、すみません……」

「A子さんのお母さんはA子さんが最後に何を言っていたのか知りたいと言っています」