将来なりたいものが何もなかった
平手は子供のときからバレエやピアノといった習い事に通っていたものの、どれもずっとやめたくてしかたがなかったらしい。何かを表現したいという思いもなく、学校の図画工作で絵を描くときも、とくに描きたいものがないので、隣の人のを真似して描いたりしていたという。将来の夢を訊かれても、何もなりたいものがないので答えられなかった。
小学校、中学校とバスケ部に入っていたが、それも部活に絶対入らないといけなかったからで、嫌々やっていた。それでも、後年のインタビューでは、ミスをして顧問の先生から怒られても、凹んでしまったらそれで終わりなので、自分のなかでどう問題を解決して次に生かすかを考えたりと、部活によって精神を鍛えられた面はあると思うと語っている(『バドミントン・マガジン』2021年6月号)。
平手は場所を与えられると頑張って成果を出すタイプなのかもしれない。それは欅坂46に入ってからの彼女の活躍が証明している。
脱退後、ミセスのMVに出演
平手は欅坂に在籍中の2018年、映画『響 -HIBIKI-』で主演を務め、映画各賞で新人賞を受賞するなど演技を高く評価された。以来、映画やドラマの仕事もあいつぐことになる。だが、欅坂を脱退してまもなく新型コロナウイルスの感染が拡大し、最初の緊急事態宣言が出されると、撮影に入っていた映画は軒並み中断を余儀なくされた。
緊急事態宣言下での自粛期間が明けようかという時期、Mrs. GREEN APPLEの「WanteD! WanteD!」のミュージックビデオへの出演をオファーされる。平手はそのとき、ミセス側や、自分のチームの人たちに対し、こんなことを伝えて引き受けたという。
《コロナで卒業式とか入学式ができなかった人たちや、会いたいけど会えない人とか、それこそ甲子園がなくなったりして下を向いている子たちが多いのかなって思って。だったら、その作品を通してその人たちが少しでも前を向けるような、やるのであればそういう気持ちでやりたいですって》(『ロッキング・オン・ジャパン』2020年10月号別冊)

