堺雅人が主演を務める日曜劇場『VIVANT』(TBS系)の第2シーズンがスタートし、SNS等で大反響を呼んでいる。

 本作は、2023年7月期に放送された『VIVANT』の続編。第1シーズンから3年の時を経てはいるが、第2シーズン第1話が「第11話」と表記されており、物語は第1シーズンから地続きになっている。

 8月16日には第14話が放送され、第1シーズンで主人公の乃木憂助(堺雅人)の相棒となっていた野崎守(阿部寛)が別班と公安を裏切ったことが明らかになった。本格的に始まる第2シーズンでの物語で乃木の相棒となりそうなのが、乃木の勤める丸菱商事の専務で、東南アジアを統括している別班員と判明した長野利彦である。演じているのは、映画やドラマの名バイプレイヤーの1人として広く知られる小日向文世だ。

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小日向文世 ©文藝春秋

人生の転機となった大怪我→40代まで“下積み生活”

 小日向はグラフィックデザイナーを目指して、北海道から上京。デザイン学校で課題のために徹夜で作業する生活を続けていたが、18歳のときにスキーで複雑骨折し、完治に約2年、8回の手術を要するほどの大怪我を負う。

 怪我をきっかけにデザインへの熱意を失った小日向は、次第に「自己アピールができる」と役者業に興味を持つようになり、卒業後、22歳の時に俳優を目指すことを決意した。ところが、劇団に入ろうとオーディションを受けるも不合格に。ひょんなことから、中村雅俊のコンサートスタッフ募集の話を聞いて手伝いを始め、いつのまにか中村の付き人を務めるようになった。

 その後も俳優への意欲が衰えることない小日向に、中村もきちんとした劇団へ入ることを勧め、1977年、串田和美が主宰する「オンシアター自由劇場」の試験を受け入団する。この劇団は小日向だけではなく、のちに映画『検察側の罪人』でブレイクする酒向芳、ドラマ『相棒』シリーズ(テレビ朝日系)などで知られる大谷亮介らを輩出した名門である。

 試験では、周りの人たちが海の生き物のセリフを割り当てられていたが、小日向は「でかい声で叫んでくれ」と言われ、別れた直後の彼女の名前を叫んで合格したというエピソードを明かしている(※1)。

 39歳で同じ劇団の女優だった11歳年下の女性と結婚し、長男をもうけるも翌年に劇団が解散。どうにかしてドラマや映画に出たいともがきつづけるも、5年間で連続ドラマの出演作はたったの1本で、事務所に給料の前借りをしてなんとか食いつないでいた。