「東京を強く薦める」

 広島への投下後、8月7日付の「TOPSECRET」の米軍公電記録がある。原爆投下機の出撃基地であるテニアン島の第三一三爆撃航空団司令官からワシントンの陸軍省宛の極秘電五三一二だ。「トゥリニティと広島における結果が、楽観的な期待をも遥かに越えたことからみて、〔ウィリアム・〕パーネル、パーソンズおよび〔トーマス・〕ファレルは、目標の問題は直ちに改訂されるべきだと信ずる。

 この問題は、本日グアムにおいて、〔チェスター・〕ニミッツおよびスパーツと共に討議され、両名共に以下に述べるわれわれの見解に同意した」(『ティニアン・ファイルは語る』奥住喜重・工藤洋三。〔〕内筆者)と、テニアン、グアムの前線幹部の総意だとして次のような問題提起をしている。

「大きな効果を発揮するためには、目標は実際上少くとも一辺が3マイルはなければならない。部分的に焼失している目標でも、人口と若干の工業が大きく残存していれば、心理的効果の上で大きな可能性がある。(中略)陸軍省はもはや目視爆撃を要求することなく、前線部隊に決定を委ねるべきだと勧告する。(中略)われわれは、残った公認目標は、小倉以外は不適切あるいは不適当な形をした地域だと考える。(中略)いくつかの大都市を含めるように、目標リストを改訂することを薦める。目標の1つとして東京地域を含めることを衷心より薦める」(同前)

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 東京はすでに3月の下町の大空襲や5月の山の手空襲で「部分的に焼失」していたが、「心理的効果」を狙って東京への爆撃を直訴し、手法は前線部隊に任せるよう要求している。