熱湯の底なし沼で見つけた至高の湯

 沢が流れ込む最奥部の入り江で、ようやく手で触れられる温度の場所を発見した。入湯を試みるが、岸は脆く、すぐに崩れて熱泥の中に足がめり込み、火傷をしそうになる。岸の土で埋め立てて何度も底を固めながら決死の覚悟で湯へと身を沈める。

 やっとの思いで、なんとか肩まで浸かることができた。時折底から熱湯が襲い掛かってくるが、その度に必死で掻きまわして湯温を下げる。

池の岸を崩して底を踏み固めて入湯する

 気を抜くと埋め立てた足元の泥が崩れ、激熱の底なし沼に足がのめり込んでいく。それでも入湯できることに至高の喜びを感じていた。噴出した新鮮な泥によって、「これでますます肌が綺麗になるかも」と妄想して、湯に浸かる。

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「足首に激痛が…」全治5ヵ月の大火傷を負っても笑える理由

 夢心地で岸に上がった瞬間、足がズブっと岸の泥の中に沈んだ。不覚にもボッケを踏み抜いてしまったのだ。次の瞬間、足首に激痛が走った。

 足を引き抜こうとしてももう片方の足が沈み込み、思うように抜けない。ようやく泥から足を引き抜くと、激痛が激熱に変わった。酷い火傷で皮膚が大きくただれてしまった。

 近くに清潔な水もなく冷やすこともできないまま、絆創膏で応急処置をし、帰路につく。歩くたびに激痛が走るが、40分ほどで車に戻り、なんとか下山。病院では全治4~5ヵ月と診断された。

 数年が経った現在でも、この時の火傷跡は時々疼いている。しかしその疼きを感じる度に「湯の池地獄下の湯」に入湯できた喜びが蘇り、思わずニンマリしているのだ。

※野湯の訪問には、重大な事故や命を落とす危険を伴います。訪問の際は、万全の備えと情報収集、安全第一の行動と迷ったら撤退する勇気を心がけてください

INFORMATION

【データ】
住所 鹿児島県霧島市牧園町三体堂
アクセス難易度 ★★★★☆
湧出量 多量
湯温 高温

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