休日に岐阜県の山村をドライブしていた時のこと。ポップな滝のイラストがあしらわれた看板が目に留まった。“樽谷の滝5.8km”と書かれた道しるべだった。
「へ~、こんなところに滝があったのか」と思い、特に用事がなかったため、軽い気持ちで行ってみることにした。この判断によって大変な状況に陥ることを、私はまだ知らなかった。
集落を抜けたところで現れた道を塞ぐゲート
道は1車線しかないが、交通量は少なくしっかりと舗装されているので、不安はなかった。この分だと10分も走れば着くだろう。まだ見ぬ滝を楽しみに走っていた。
異変はすぐに現れた。集落を抜けると、いきなり道を塞ぐゲートが現れたのだ。
車を降りてゲートを確認する。観音開きのゲートには何も掲示されていない。そして、かんぬきで固定されているが、鍵はかかっていなかった。この状況から、害獣用のゲートだと判断した。
山村では、猪や鹿、猿などに農作物が食い荒らされる被害が頻発している。フェンスや電気柵などを設置して、山から里へ害獣が入ってこないように対策を講じているが、道路の部分だけ開いていればそこから入ってきてしまう。そのため、このようなゲートを設置しているのだ。
私はゲートを開けて車を通過させ、素早くゲートを閉めた。開けたままにしていると害獣が入ってきてしまうためだ。害獣用ゲートのことを知らなければ、ここで引き返していたかもしれない。
ゲートを過ぎると道の状態が著しく悪くなった。舗装はされているものの穴が開き、落石が転がっている。
舗装路上の落石を踏むとパンクするリスクが高いので、極力踏みたくないが、避けきれない数の石が散らばっていた。しばらく走っていると舗装がなくなり、砂利道になった。右手には山の斜面が迫り、左手は崖でガードレールは存在しない。いきなりアドベンチャー感がハンパないが、元々こうした道が好きな私はワクワクしながら先へ進んだ。
すると、見覚えのあるポップな滝のイラストが見えた。
“樽谷の滝1.2km”





