7月15日に出版された新刊『すべては果てしない賭け』(角川春樹出版)。それは、元アイドルが全編を書き下ろした新刊エッセイ本のタイトルとしては、意表をつくアグレッシブさだ。でも、山崎怜奈にとって人生とはまさにそう——果てしない賭けの連続——なのだろうと、今日も明日もあちこちのメディアで活躍する彼女を見ながら、納得もする。
硬質な知性のひとだ。山崎怜奈、29歳。タレント、ラジオパーソナリティ、コメンテーター、エッセイストなど、世間が与える肩書の多さが彼女の多才を物語る。かつて人気絶頂のアイドルグループに所属しながら慶應義塾大学環境情報学部へ入学。幼い頃から非常にストイックな勉強家であり、大河ドラマや歴史小説に強い“歴女”としても知られ、在学中からフジ系のクイズ番組「Qさま‼︎」へ出演するなど、異色のアイドルとして注目を集めた。
弱冠23歳で昼のラジオ番組のメインパーソナリティーに抜擢され、TOKYO FM「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」(月~木、13:00~14:55)で彼女の美しく冴えた声が人々の暮らしのBGMとして流れるようになってから6年目。「TOKYO FMの方々も相当な賭けをしてくださいましたよね」と、本人は苦笑まじりに謙遜する。以来、情報番組のコメンテーターや教育番組、ビジネスチャンネルのMCなど、活躍のフィールドは広がるばかりだ。
おそらくいま、信頼と安定感のあるアラサー世代の知性派タレントとして筆頭に名の上がる山崎が、本人が言うところの「足掻き」をエッセイに書き下ろした。ところが一つ一つのエピソードにやっぱり彼女らしいひねりがあって、“レベチ”なのだ——。(全3回の1回目)
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努力も葛藤も“事件”も盛りだくさんの人生
――山崎怜奈さんといえば、当時のトップアイドルグループ在籍中に慶応SFCへ合格し、学業との両立をやり抜いた“才女イメージ”でご存知の方も多いと思うのですが。
山崎 アイドル活動をしながら大学にも行く、きっと当時は珍しいタイプだったんですよね。クイズ番組や選挙特番に呼んでいただいたのも在学中だったので、学業のベースがあるからお声がけをいただいたという自覚はあります。そのおかげで、いろんな方に存在を知っていただけるのは本当にありがたいです。でも、入学当初は学業を武器にしようとは思っていなかったんですよ。
