“スーパーサブ”が躍動する高校野球

 もう一つ、近年の優勝校や上位進出校に見られるのが、甲子園で役割や評価を一段引き上げる投手の存在だ。

 2023年の慶應では、予選では小宅雅己に依存していたが、鈴木佳門と松井喜一が覚醒し、小宅を支えて戦力アップに繋がった。2024年京都国際の西村一毅、2025年沖縄尚学の新垣有絃も、背番号1の投手を支える存在にとどまらず、甲子園で勝敗を担う投手へと評価を高めた。

 そして2026年智弁和歌山の和気匠太も、背番号1ではあったものの、和歌山大会では長井や久葉が接戦を支える場面が目立った。その和気が甲子園では4試合、21回3分の2を投げて防御率1.25と復調し、主戦格として優勝に貢献した点では、この系譜に連なる存在といえる。

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©時事通信社

 繰り返しとなるが、現代の甲子園で求められているのは、開幕時点で完成された一人の怪物だけではない。大会の中で投手の序列を組み替え、その日の状態や相手との相性に応じて、最も勝つ確率の高い投手を送り出せるチームである。エースの能力だけでなく、二番手、三番手を含めた投手陣全体の「運用力」こそが、夏を制するための重要な条件になっている。