3/5ページ目
この記事を1ページ目から読む
「宣行は、ずっと前から2階に上がるのを嫌がってね。だから私は10年以上、上がったこともなかったのよ」
普段顔を合わすことはなかったのだろうか?
「そうだね。食事は階段のところに置いといたのを宣行が取りに来て、お風呂は月に一回ぐらい入っていたかな」
「トイレはどうしていたんですか?」
「汚いといって、下のトイレは使わなかったね。2階にはトイレがないから、ビニール袋で用を足していたみたいだね」
彼女の発言から窺えるのは、佐藤の異様な生活ぶりであった。
監禁部屋に足を踏み入れると…
彼女の案内で、少女が監禁されていた2階に上がった。
母親は10年以上にわたって2階に足を踏み入れたことはなく、事件発覚後に久しぶりに足を踏み入れたのだった。
階段を上がると、廊下の床の表面が剥げているのが見えた。排泄物が入ったビニール袋が置かれていたため、腐ってしまったのだ。