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「あの子には可哀想なことをしたねぇ」
ドアを開けると、天井に吊るされたシャンデリアとセミダブルのベッドが目に入ってきた。ベッドのまわりの底板も剥がれている。
被害者の少女はこのセミダブルのベッドの上だけで、いびつな生活を送り続けていた。
ベッドの傍には、ブラウン管のテレビが置かれ、棚にはベータビデオで録画された歌番組などが日付ごとに整理されていた。
佐藤は世間と隔絶された部屋に己の世界を作り上げていた。
この部屋を見て、母親はどんな印象を持ったのだろうか。
「あの子には可哀想なことをしたねぇ」
彼女はどこか他人事のように呟いたのだった。
もう少し、母親が毅然とした態度を息子に対して取っていれば、事件は防ぐことができただろう。
