――鳥さん自身も殴り返してきましたか?
鳥 言葉では。腕っぷしでは勝てなくても、何かしらで勝てないと生きていけないですよね。
見た目が弱そうに見えるのか、ナメられることが多いんですよ。「私が相手じゃなければそんな言い方しないのでは……」という場面が結構あって、読者からは「辛辣」とか「意地悪」という感想をもらうことが多いですが、この意地悪さも生きる力のひとつだと思っています。
家族のことを描くのは怖さがある
――鳥さんの作品の根幹には、やはりご自身の体験や考えが重要ですよね。たとえば家庭を題材にした作品などはどうですか?
鳥 ウィキぺディアに「エッセイマンガ」って書かれていて。描いたことないんですけど(笑)。まぁ、それぐらい私小説的と思われているってことですよね。
でも、家族のことを描くと当人が傷つくケースもあるのでこわいです。とはいえ会社は辞めちゃって、家族以外に関係者はいないし……自分の世界を広げないとヤバいなと思ってアンテナを張っているつもりなんですけど。
美しいと思えるものを作りたい
――常にネタのストックがたくさんあるタイプだと想像していました。
鳥 いえ、次に何をやるかノープランです。強いていえば、ずっと美しいと思えるものを作りたい。
この服は葛飾北斎の絵がプリントされているんですけど、こういうふうに何百年も前の作品がずっと愛され続けているのは、美しいからですよね。
だったら、愛されるには美しいと感じるものを描いていくしかないんじゃない? と思うんです。人の気持ちを煽るようなことじゃなく。アーティストの本分に立ち返って、美しいものを標榜していきたいと思っています。
撮影=末永裕樹/文藝春秋
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