フジテレビ退職直前の2019年夏、フリー転向を控えた笠井信輔氏を激しい排尿障害と頻尿が襲った。血液検査や前立腺がんのマーカー検査は正常で「前立腺肥大」と診断されたものの、症状は次第に悪化する。彼の体を蝕んでいた恐ろしい病が潜んでいた――。笠井氏の著書『生きる力 がん寛解までの記録』(角川新書)の一部を抜粋して紹介する。
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小倉さんががん……
2018年の秋。私は会社に正式に辞めたいと報告しました。その際の上司の言葉に私は耳を疑いました。
「笠井も悪い時に辞めるよなあ。もうすぐだよ、小倉さんががんを発表するの」
「がん!? 小倉さん、がんなんですか」
「お。知らなかったか?」
「聞いてないですよ!」
「膀胱がんで今度の手術は結構大変らしい。入院は2か月はかかると思う。それでも辞めるのか?」
結論は明白でした。小倉さんが一大事の時に辞めることなどできません。小倉さん不在の間、私にも番組を支える責任があるのです。私の退社は半年間延長され、2019年の9月末日となりました。
小倉さんの膀胱がん手術は成功し、番組にも復帰。
2019年7月30日に、私のフリーアナウンサーへの転向が、サンケイスポーツとスポーツニッポンで報じられました。退社の2か月前のことです。
あわせて、小倉さんが所属する事務所「オールラウンド」に入れてもらうことも発表。
しかし、私の心は穏やかではありませんでした。退社2か月前のこのころ、体調が思わしくなかったのです。悩んだ末に私は小倉さんに相談しました。
2019年7月26日。小倉さんにLINE。
お疲れ様です
小倉さん。お休み中すみません。私、膀胱にトラブルを抱えていると思うのです
先々月、前立腺がんと膀胱がん用の血液検査をしたところ、「異常なし」でした
しかし、
(1)頻尿、1時間から2時間に1回トイレにたちます
(2)なかなか尿が出ない
(3)出すときにいきむ必要がある
(4)ツーンと痛みがはしる
(5)少しずつしか尿が出ない
(6)キレが悪い
などなど、ここ1か月で、症状がどんどん悪くなっているのです
一言で言えば「排尿障害」。この言葉も、病気になってから知りました。
