抗がん剤をなめていた

 入院して5日目の午前中、いよいよ抗がん剤治療開始。

 悪性リンパ腫に対する抗がん剤治療がどんなものなのか? 入院して初めて知ることになりました。

 私の抗がん剤は点滴の形で体内に入れられました。人によって抗がん剤を打つ「時間」「回数」は変わります。私のケースでは一度に24時間抗がん剤を5日投与し続ける。それを6回(6クール)繰り返すことになりました。大変な量を体に入れるのです。「アグレッシブで予後の悪いタイプ」だからと主治医の先生は話します。

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「家族は『元気の源』です」

 昼となく夜となく、起きているときも寝ているときも5日間抗がん剤の点滴を打ち続けると、体が大変なダメージを受けます。がん細胞を殺すための強い薬剤が、正常な元気な細胞にも悪影響を及ぼすからです。

 私は1回目の初日からさっそくその洗礼を受けました。

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 12月24日 入院6日目 クリスマスイブ

 昨日の午前10時に副作用を抑える薬などの点滴をスタート。

 11時からいよいよ抗がん剤。どんな劇薬が体の中に入るのか、ビクビクしてました。やっぱり、怖いものですね。

 しかし、異変はすぐにやって来ました。注入30分後。顔がかゆい。顔があかくなり、両頰大きな蕁麻疹がボコッとできて、どんどん大きくなっていくんです。体もかゆくなってきた。

 副作用でしょう。すぐにナースコール。

「抗がん剤中断しましょう。アレルギーを抑える点滴に変更します」

 看護師さんの判断が素早いのに驚きました。すると、30分後、ミルミル蕁麻疹が顔から引いてゆきました。今の薬の進歩に驚くばかりです。

 抗がん剤再開!

 しかし、しかし、昼になっていきなり体調がおかしくなってきました。

 しんどい。

 体に鉛を入れられたよう。

 何もしたくない。

 考えたくない。

 横になりたい。

 そこで改めて思いました。「これが、抗がん剤なのか……」

 サンタの帽子は入院前に、何かに使えるかもしれないと、こっそりダイソーで買っておきました(バカ?)

 そしたら、クリスマスイブだから家族がやってくるというので、驚かせてやろうと待っていたのですがあまりの体調の悪さに、この格好のままベッドに2時間半寝込んでしまって…。様子を見に来た看護師さんを驚かせてしまいました(笑)。そりゃそうですよね。抗がん剤2日目に何やってるんだと。

 やって来た家族はサンタが寝込んでるんで大爆笑。一気に病室がにぎやかになりました。

 今日クリスマスイブに思いました。やっぱり、家族なんです。自分の気持ちを最後に救ってくれるのは。いつもは喧嘩が絶えない激烈家族。

「ストレスの素!」

 なんて思ったことも何度もあります。ですが、こんなにも自分の助けになってくれるなんて…今朝、朝食を届けに来てくれた若い看護師さんにいいました。

「イブの夜が非番で良かったですね」

「でも…自宅で父と母と祝うんです」

「でも…今の僕にとっては、それも素敵なことですよ」

「そうですね!」

 その笑顔がとてもよかった。

 * Merry Christmas! *

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