新聞やテレビなどの「記者クラブメディア」が権力の監視機能を失いつつある日本。そんな中、アメリカ人研究者が着目したのは、読者が自ら金を払って買い求める「雑誌」の存在だった――。

 有名評論家が語る、下品さのなかにこそ宿るジャーナリズムの真髄とは。評論家の佐高信氏の新刊『スキャンダル雑誌の作り方 「噂の眞相」人名録』(講談社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目)

写真はイメージ ©getty

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「バカな大将、敵より怖い」

 現在は完全に“政治広報”と化したNHKだが、私はその常連だったことがある。

「えっ、サタカさん、NHKに出てたんですか?」と驚かれて、私がNGになったことがNHKが変わったことの証しかもしれないなと思った。

『噂の眞相』連載執筆者の私がはずされたということは、NHKからスキャンダル追及の精神がなくなったことを意味すると言ってもいい。

 もちろん、中でがんばっている人もいる。こんなことがあった。

 多分、最後のNHK出演になった2014年。「演芸図鑑」という番組に呼ばれた。

 ナビゲーターが三遊亭小円歌で朝の5時15分開始である。早朝ということと芸能ということで、私に対するチェックの目をくぐったのだろう。

 しかし、小円歌に迷惑をかけては申しわけないと、話す内容も控え気味にしていた。

 すると、ディレクターが私に、「ぜひ、あの話をして下さい」と要求する。

 それは、バブルに踊らなかった珍しい銀行のトップである北洋銀行の武井正直が口癖のように言っていた「バカな大将、敵より怖い」という言葉だった。

 彼らも“バカな大将”に悩まされて、ゲンナリしていたのだろう。