淡路島生まれ→大学で出会った“つかこうへいの芝居”に衝撃

 1961年、淡路島の洲本市出身。海と山に囲まれた環境で自然とともに育った。幼い頃から歌が好きで、小学生の頃は近所の子を集めてピンキーとキラーズの「恋の季節」を熱唱していたという。

 アイドルへの憧れが高まって、中学生の頃に『スター誕生!』の地区予選に応募。中島みゆきの「時代」を歌って最終審査まで残ったが、落選して泣きながら帰った。中学時代にはキング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」を聴いて衝撃を受けたことも。

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 地元の高校を経て、京都の同志社女子大学へ進学。ここで人生が大きく変わる。演劇の世界と出会ったのだ。

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 友人に誘われて見学したのが、歴史と伝統ある演劇サークル「第三劇場」だった。生瀬勝久は同サークルの1学年上にあたる。

 演劇には何の興味もなく、最初はただの付き添いだったが、上演されていたつかこうへいの芝居『熱海殺人事件』を見て衝撃を受け、入部を即決する。このとき演出していたのが、後に夫となる劇作家のマキノノゾミだった。

 両親が仕事で忙しく、幼い頃から一人でいることが多かった。歌手に憧れたが、あっさり挫折し、高校時代は心から楽しいと思えることがなかった。そんなキムラの心の「空洞」を埋めてくれたのが演劇だった。初舞台では踊りながら舞台に登場して会場を沸かせ、いきなり天性の才能を見せつけている。

「先輩に耳打ちされた一言を(アドリブで)言ったとき、客席がウワーッと笑ったんです。その音のすごさに、なにこれ!と楽しくなっちゃった。あれが私の初体験です」(『AERA』2018年12月3日)

 とはいえ、演劇は大学でのクラブ活動ぐらいに考えていた。卒業後は、故郷の淡路島に帰って結婚するつもりだったのだ。