東海地方の私鉄の雄・名古屋鉄道。その路線のひとつに、三河線がある。その名の通り愛知県東部、三河地方を南北に結ぶ約40kmの路線だ。ちょうど真ん中の知立駅では名古屋本線と接続しており、三河地方の大動脈といっていい。

 そんな三河線だが、知立駅を境に南側と北側を直通する列車は存在しない。そのせいか、南側は海線、北側は山線などと呼ばれることがすっかり定着している。今日は、山と海のうち、山線に乗ることにしよう。

 知立駅からしばらくは住宅地が点在する田園地帯の中を走ってゆく、名鉄の真っ赤な電車。大きな工場やビル群が見えてきて市街地の中に入ると、そこは天下のトヨタのお膝元、豊田市の中心部だ。

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今回は愛知県豊田市の廃線をめぐる。写真の雑草が生えたレールもじつは廃線跡だ

 ターミナル・豊田市駅からもまだ三河線の線路は続く。しばらくは高架で市街地を走り、ほどなく車窓はのどかさを増してゆく。そうして知立駅から30分とちょっとで到着する終着駅が、猿投(さなげ)駅である。

 猿投駅、ただの終着駅というわけでもないようで、ホームの脇には真っ赤な電車がずらりと並んでいた。つまりは車両基地の駅というわけだ。

現在の三河線の終点、猿投(さなげ)駅
猿投駅には車両基地もあった。赤い電車がずらりと並ぶ

 駅の周りは実にのどかな住宅地が広がっている。学校帰りと思しき若い人たちが猿投駅に降り立って、三々五々散ってゆく。小さな無人の駅舎の前に広がるロータリーは、電車が着いてから5分も経たないうちにすっかりひとけがなくなった。

「雑草だらけ…」三河線の廃線跡には何がある?

 そんな猿投の駅前から、少し北に歩いて右に曲がる。すると、ホームからさらに先へと続いている線路と交差する踏切があった。終着駅といえど、車庫の駅。ホームより先に線路が続いていること自体は、それほど珍しいことでもない。

 が、踏切のさらに先を見てみると、まだまだ線路は続いているようだ。この先にはいったい、何があるのだろうか。