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「どこからが差別で、どこからが区別なのか」
――今村さんは、ストーリーとテーマではどちらが先に生まれるのでしょう。
今村 テーマが先ですね。
これに関しては、人種差別とか区別とかいったことへの問いかけが根底にある。
最近は外国人の方も多い中で、差別・区別についていろいろ言われるけれど、じゃあどこからどこが差別で、どこからが区別かということを明言できる人って絶対いないし、できるはずもない。
人の数だけあるから。
差別につながる区別は良くないとも思うし、でも文化の違いで分かり合えないところもある。
答えを出すというよりは、読者にも一回立ち止まって考えてほしいという願いと祈りを込めたつもりです。
――では、この作品の一番核にあるテーマを言葉にすると?
今村 ただ、ほんとうの核にあるテーマというのは、言葉にいまだにできないんですよ。
一文字で言えないから、一冊で伝えるしかなかったという答えかもしれないですね。
編集者と話したのは「どうすれば面白くなるか」ではなかった
――この作品を書くにあたって、担当編集者とはどのような対話をされていましたか。
今村 どっちかというと、物語をどうすれば面白くなるかというより、「令那はこのとき六郎に対してどう思っているんですか」とか、人間に対してのディスカッションが多かった気がします。
人物の感情を掘り下げる対話が中心だったんです。そういう意味では助けてもらったなと思っています。
※本記事は「文藝春秋PLUS」で配信した今村翔吾さんのインタビューを、文庫刊行にあわせて再構成したものです。
