2006年、夏の甲子園で話題をかっさらった「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹。ユニフォームから取り出した、綺麗に畳まれたハンドタオルで汗を拭う姿に注目が集まり、一躍「時の人」となった。
そもそも呼び名はどのように生まれたのか。そして、王子という呼称についてどう思っていたのか。ベースボールジャーナリスト・石田雄太氏の新著『ハンカチ王子と呼ばれて 斎藤佑樹 54勝の記憶』(カンゼン)から一部抜粋してお届けする。
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「あれはハンカチじゃなくて……」
いったい、誰が、いつからそう言い始めたのか、今でもわからないんです。大阪桐蔭との試合で小杉太郎くんにホームランを打たれたあと、取り出したハンカチ……というか、あれはハンカチじゃなくてハンドタオルなんですけど(笑)。
あの四角く畳んだハンカチは何なんだという話になった、ということは聞いたことがあります。でも、それが最初かどうかはわからないし、そもそもハンカチに“王子”がついた理由は僕にはさっぱりわかりません(笑)。
あのハンドタオル、ほかにもいくつかあったんです。青いのがいつの間にか注目されていたみたいだったんで、これはもう、青を使わなくちゃいけないのかなと思わされましたね。もちろん青を使って勝ったから、「じゃあ、このまま」というような縁起担ぎの意味合いもありました。ただ、ほかの色もあったんですよ。何色があったかなぁ。黒があったのは覚えています。もし青ではなくて黒を使っていたら、どうなっていたんでしょう(笑)。
もともと中学の時から、試合だけじゃなくて練習の時も小さなハンドタオルを使っていたんです。だから高3の夏、甲子園へ出ることが決まって、母(しづ子さん)に何枚か届けてもらったんじゃなかったかな。
畳んで使っていたことについても丁寧で上品だとか言っていただいたみたいですけど、そんな大層なことじゃなくて、丸めてお尻のポケットに突っ込むと厚みが出て気持ちが悪いんですよ。違和感があるというか……それに、次に使う時にもきちんと畳んでしまっておいたほうが使いやすいでしょ。それだけのことなんです。
