1996年9月9日、東京・葛飾区で起きた「上智大生殺害放火事件」。アメリカ留学を目前に控えていた21歳の大学生・小林順子さんが自宅で殺害され、現場は放火された。事件発生から30年が経った今も犯人は逮捕されていない。NHK総合テレビで9月11日放送の「未解決事件」File.18では事件から30年の遺族の思いとともに、独自に入手した警察の内部資料と新証言から知られざる捜査の内幕に迫る。
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亡くなった順子さんの姉が取材に応じた
新たな事件像に迫るだけでなく、遺族たちの30年にも迫った。今回、順子さんの姉・亜希子さんが単独取材に応じた。
亜希子さんと会うことができたのは、取材申請をしてから2か月後のこと。新聞や雑誌などの取材には応じているものの、どのメディアに対しても顔を出した取材に応じていないこともあり、どういった方なのか、どこまで踏み込んで話を聞いたらいいのか、考えがまとまらないまま取材班は自宅を訪ねた。
亜希子さんは、「答えられることはなんでも答えるので、何でも聞いてください」と、優しいまなざしで迎え入れてくれた。どんな質問に対しても、慎重に言葉を選びながら、時には「この気持ち伝わってますかねぇ」と、正しいニュアンスを間違いなく伝えようと、分かるまで説明を尽くしてくれた。一方で、事件の詳細に話が及ぶと、苦悶の表情を浮かべる姿に事件はまだ終わっていないことを改めて感じた。
事件現場となった自宅の跡地を訪れた
「ここに来ると、あの日が蘇って少しつらいですね」
今回、かつて家族4人での生活があった、自宅の跡地を1年ぶりに訪れた。亜希子さんは現在、岐阜県に暮らしており、父母が暮らす東京に里帰りをするタイミングでいつも、母と一緒に訪ねては、花をたむけてきた。
事件後、自宅は取り壊され「順子地蔵」と名づけられた地蔵が立っている。すぐ目の前には、よく順子さんとバレーボールをして遊んだという壁だけがそのまま残っていた。
幼い頃から運動が得意だったという亜希子さん。順子さんは、大学生になる頃には、英語を使い世界で活躍することを夢見て、いつも夜遅くまで机に向かっていた姿が忘れられない。努力家の妹を尊敬していたという。



