同じ年齢でも、いつまでもイキイキしている人と、そうでない人がいる。何が違うのか。実業家の本田直之氏(58)は「老化は“感情”から始まる。弱ってから気づくのでは遅いが、体重や筋力と違って見えにくい部分だ。50代以降、注意すべきサインがある」という――。
※本稿は、本田直之『セカンドハーフ戦略 人生後半戦、何を捨て、何を始めるか』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「老化」はどこから始まるのか
老いは、どこから始まるのか。
多くの人は、まず身体を思い浮かべる。体力が落ちる。筋力が落ちる。疲れやすくなる。見た目が変わる。
あるいは、記憶力を思い浮かべる人もいる。名前が出てこない、物忘れが増える、新しいことを覚えにくくなる。
でも、老年精神医学の和田秀樹さんは、別の見方を示している。
和田さんに、『50歳の分岐点』(大和書房)という本がある。老いというと、普通は体力や記憶力を思い浮かべる。でも和田さんは、老化は感情から始まると書いている。
これには、脳の仕組みの裏づけがある。
意欲や感情をつかさどる前頭葉は、40代から50代にかけて縮み始めると言われている。物忘れの正体である海馬の衰えを実感するのは、もっと後だという。
つまり、多くの人が「老化の始まり」だと思っている記憶力の低下より先に、感情のほうが静かに錆びついていく。
老いは、弱ってから気づくのでは遅い。まだ大丈夫なうちに、どういう変化が起きるのかを知っておく。それだけで、対応はまったく変わるのだ。
身体や顔の老化には、多くの人が気づく。体重が増えた、肌がたるんだ、疲れやすくなった、筋力が落ちた。こういう変化は、数字や鏡で確認できる。だから対策もしやすい。
しかし、意欲や感情の老化には気づきにくい。
たとえば、何をするにも面倒になる。新しいことを覚えるより、いつものやり方で済ませたくなる。何を見ても、何を聞いても、「ふーん」で終わってしまう。
