兄は元Hey! Say! JUMP、“王子様”のような美少年だった
SixTONESの最年少メンバー(※厳密には同グループに年齢非公開のメンバーがいる)でありながら、今年で芸歴20年というベテラン。兄はかつてHey! Say! JUMPに所属しており、森本自身も入所時から将来を嘱望されていた。
当時11歳でジャニーズ史上最年少ユニット「スノープリンス合唱団」のセンターに抜擢され、CDデビューと紅白歌合戦出場を果たす。のちにグループを組む田中樹や松村北斗、同世代の中島健人や菊池風磨からは恐れられるほど、事務所内でも一目置かれたエリートだった。
その名の通り“スノープリンス”然とした美少年だった森本は、いつしかゴリゴリのワイルドな青年へと成長。息子の変わりようを嘆いた母親から「お願いだから昔の慎ちゃんを返して」と言われたエピソードは、もはや森本慎太郎を語るうえで欠かすことのできない鉄板ネタだ。
だが、華やかな少年期とは裏腹に、正式なデビュー組への道のりは決して平坦なものではなかった。SixTONESがようやくCDデビューを掴んだのは、後輩であるKing & Princeのデビューを見届けてから約1年半後。スノープリンス合唱団の活動から、実に10年以上の歳月を要した。
“リズム”で演じた髙橋海人、とことんシンクロした森本慎太郎
さて、『だが情』で興味深かったのは、森本の山里役も髙橋の若林役も、これ以上ないほどのハマり役だった一方で、芝居へのアプローチが対照的だったことだ。
STARTO社のアイドルたちのなかでも、屈指のダンスメンバーである髙橋は、そのずば抜けた身体性が芝居にも大きくプラスに働いている。「オードリー・若林」と「King & Prince・髙橋海人」は、“外側”こそ似つかないものの、視線の運び方から独特な間合いまで、若林が持つ“リズム”そのものを身体ごと掴み、自らの表現として出力する。若林を演じる髙橋の一挙手一投足には、天性のセンスを感じずにはいられなかった。
一方の森本は、あの赤メガネとスーツを身にまとうと、不思議なことに最初から山里本人と“やや”似ていた。ところが回を重ねるごとに、いつしかその“やや”の域を超え、本人とのシンクロ度はみるみる増していったのである。一番近くでその変化を見ていた髙橋も、「毎話、目つきが変わってきてる」「声もどんどん山里さんになっていく感じがスゴい」と、当時のインタビューで語っていた。
そのシンクロは森本自身も感じていたようで、当時の『オールナイトニッポン』では、山里を演じることで、それまで自分のなかにはなかった“負の感情”が芽生えたことを、戸惑いながら話していた。妬みや嫉みをガソリンにしていたかつての山里の半生を追体験するうちに、ほかのメンバーへの対抗心が芽生え、ライブのMCでも出し抜くことを考えるようになり、さらにはW主演である髙橋との扱いの差まで気になるようになったというのだ。
あまりに熱量高く語るものだから、当時はかなり笑ってしまったのだが、いま振り返れば、このピュアな感受性こそが、俳優・森本慎太郎の芝居の根幹だと思う。役の感情を頭で理解するだけでなく、まるで自分のことのように受け止めてしまう。そんな素直すぎる役との向き合い方が深い没入を生み、森本の芝居に確かな説得力を与えているのではないか。

