学園ドラマに“かすりもせず”、演出家からは「早く売れて」と…

 とはいえ、話題作への出演を重ねても、すぐにブレイクしたわけではない。舞台では、日本演劇界を代表する演出家・蜷川幸雄の『恋の骨折り損』『ヴェニスの商人』に出演。後者ではメインキャラクターのポーシャ役を務めるなど、早くから大きな役を任されていた一方で、テレビドラマでは端役やゲスト出演が多く、知名度もなかなか上がらなかった。

 中村も後年のインタビューで、同世代の俳優たちが『ごくせん』や『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』といった若手俳優の登竜門に出演していくなか、自身は「かすりもしなかった」と振り返っている(※)。

©︎時事通信社

 もちろん、テレビドラマで広く知られることだけが、俳優の成功ではない。中村には、舞台を中心に演技派俳優として歩んでいく道もあっただろう。

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 しかし、2009年の舞台『真心一座 身も心も 流れ姉妹~獣たちの夜~』を皮切りに、何度もタッグを組んできた演出家・河原雅彦から告げられた「早く売れて」という言葉が中村の意識を変えた。当時、河原が中村の名前をキャスティング候補に挙げても、動員力がないことを理由に起用が通らなかったのだという。

 やりたい人とやりたい仕事をするためには、演技力を磨くだけでなく、ある程度の知名度や影響力も必要になる。その現実を知った中村は、舞台で芝居を磨き続ける一方、ドラマや映画にも積極的に出演。映像作品でも実績を積み重ねていった。