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「嫁さんが殺されたんだよ」
こんにちはと挨拶をして、話のきっかけに唐辛子を収穫しているんですかと声をかけると、せせらぎの音に消え入りそうな声で言ったのだった。
それこそ、何百人と私のような取材者が訪ねてきて、男は私が何者かとっくに気がついているだろうが、私は取材に来たと告げ、保見についてどう思うのか尋ねてみた。
「もうええじゃろ、何も話すことはないんだよ」
事件のことに触れると、ますます小さな声で言った。それでもしつこく食い下がっていると、ぽつりと洩らした。
「嫁さんが殺されたんだよ」