今回の選挙では「基地より経済」が目立つ
玉城氏の演説会場で、独自の応援グッズを手に楽しそうに応援している年配の女性たちがいた。声をかけると、こう言った。
「楽しくやらないと心が折れてしまうから」
理由を聞くと、本土から流れ込むデマやヘイト、そして何度選挙で意思を示しても「沖縄の声が届かない」と感じることに「心が折れそう、へこたれそう」になるのだという。
「だからこそ楽しくやっています」
私は改めてその言葉を思い出した。今回の選挙では「基地より経済」が目立つようになった。しかし「沖縄の人たちは基地問題より経済」なのだと説明してよいのだろうか。
何度選挙で意思を示しても、2019年の県民投票で辺野古埋め立てへの反対が7割を超えても、政府は工事を進めてきた。「基地問題への関心が薄れた」のではなく「何を言っても変わらない」と思わせてしまったのだとしたら。それを「沖縄の変化」とだけ呼んでいいのだろうか。
そして、もう一つ。基地問題は「辺野古に賛成か反対か」だけではない。そこで暮らす人たちの生活や健康にもかかわる問題だ。
そのことを考えさせる記事が、知事選終盤の9月8日に出た。
沖縄タイムスは、有害性が指摘され、健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物「PFAS」の汚染について、在日米軍が2023年12月の時点で嘉手納基地と普天間飛行場が汚染源だと日本政府に認めていたと報じた。
しかも米軍は、この事実を公表しても構わないとの考えを示していたという。ところが日本政府は公表していなかった。同内容は琉球新報も1月に伝えている。
これはかなり重大な話だ。もちろん、選挙とPFASは別の問題だ。ただ、この二つを並べると考えさせられる。選挙では自民党本部が下地氏の撤退に向けて動いた。一方、県民の健康にかかわるPFASについては米軍が公表して構わないとした情報を日本政府は明らかにしていなかった。この対照は大きい。
そして、今回もう一つ気になったのがSNSだった。
