生まれつき両腕がなく、短い両足に計4本の指を持つ「先天性四肢欠損症」の講演家・タレントの佐野有美さん(36)。足と口を使って家事や育児をこなす姿をYouTubeチャンネル「佐野有美〜四肢欠損ママの日常〜」やSNSで積極的に発信し、障害とともに生きるリアルな日常を届けている。
2017年に結婚し、2020年には念願の第一子を出産した佐野さんに、夫との出会いや妊娠・育児にまつわる本音を聞いた。
恋愛に苦手意識があった
夫との出会いは、友人の紹介がきっかけだ。それまで、佐野さんには恋愛に対する苦手意識があったという。
そのきっかけは、中高時代にさかのぼる。メールでやりとりをしていた男の子と待ち合わせをしていたにもかかわらず、その場所に行ったら素通りされてしまった。
「事前に障害のことを話していても、結局、『ごめん。無理』ってなって。たぶん怖くなったんでしょうね」
中には佐野さんの障害を気にしない人もいたが、思うような出会いには巡り会えず。そんな中で出会った現在の夫は、どんなところが魅力だったのか。
「今の旦那は本当に普通というか、自然体でいられるなと。私が足で食事をすると、普通は驚くじゃないですか。『足でできるんだ。すごいね』とかって言う人もいたんですけど、それさえなかったんですよ。『この人、昔からの友だちだった?』っていうぐらい自然で」
「子どもを産むな」誹謗中傷に対して思うことは……
2017年に結婚し、妊活をはじめてから子どもができない日々が続いた。「生理がくるたびに、障害があるから妊娠できないのかなと落ち込んでいました」と佐野さんは語る。その後、自然妊娠で2020年に娘を出産した。
佐野さんの育児動画がSNSで拡散されると「障害者なのに子どもを産むな」「産んだことがもう虐待」といった誹謗中傷コメントが押し寄せることもある。それでも佐野さんは「気にせず、自分ができることや助けてほしいことを積極的に発信したい」と前を向く。
「障害を持った人自身も、自然と理解してもらおうと思ってちゃ駄目なんじゃないかと思うんです。自分には何ができて、どんな助けが必要か、こちらから発信しなければわからない。だから私も、娘の保育園なんかでは明るく自分から話しかけるようにしていますし、『差別や偏見をなくそう』と言うなら、自ら発信していくことからはじめませんか? って思ってるんです」
続く記事では、佐野さんが生まれた当時のことや、「私ってこんな体なの?」と自分の身体にショックを受けたというエピソードなどを聞いている。(つづく)

