帰国後は「Popteen」専属モデルに
帰国し”フツーの高校生“となったツキ。だが夢は続いていた。雑誌「Popteen」の専属モデルオーディション『第3次Popteenカバーガール戦争』に応募。2020年1月に本名の「ツキ(月)」を韓国語にした「タルちゃん」の愛称で専属モデルの座を射止めたのだった。
同年11月に「Popteen」発のガールズユニット「MAGICOUR」のメンバーとして日本デビューも果たしている。
さらに驚くべきことは、ツキが「Popteen」の活動と同時に、現在所属する韓国の芸能事務所MYSTIC STORYの練習生としてもレッスンを続けていたということだ。恐るべきバイタリティである。
日韓での「スターの道」を模索して、二足の草鞋を履く日々が続く中、コロナ禍がツキに「大きな選択」を迫ることになる。日韓の往来が制限されたため、両立が難しくなってしまったのだ。
ツキが迷わず選んだのは、やっと手にした日本での仕事を全て手放し、韓国へもう一度戻ること。「帰る場所」を失う覚悟での、2度目の挑戦だった。
韓国での2度目の挑戦と5年がかりのデビュー
2021年11月、Billlieのメンバーとして正式デビュー。13歳で初めて韓国へ来てから、5年が経っていた。デビュー曲「RING X RING」は、ミステリアスな世界観の意欲作だった。だが実験的なサウンドは、“玄人好み”であったためか、音源チャートの上位に食い込むことはできなかった。
夢が叶った瞬間に突きつけられた、数字という冷徹な結果。しかしわずか3ヶ月半後、彼女の名前は思わぬ形で広まることとなる。
ダンス動画が“大バズり”…日本人でありながら、グループの顔に
2022年2月、韓国の音楽番組で2ndミニアルバムのタイトル曲「GingaMingaYo」のファンカム映像(※)が突然「バズった」のだ。
激しいダンスの合間に次々と切り替わる表情、曲の世界観を表現する力。圧巻のパフォーマンスで、一気にツキに注目が集まった。YouTubeでは1585万再生を超える動画もあり、「天才だ」「これは伝説的なファンカム」などと複数の言語でコメントが並んでいる(2026年9月現在)。
後にKBSのインタビューで、ツキは当時の心境をこう振り返っている。
「考えすぎてしまうと、むしろ緊張してしまってダメなタイプなんです。だから、まずはステージを楽しもうと思って」
思いっきりパフォーマンスに集中した結果として、生まれたものだったという。
その後、メンバーの相次ぐ活動休止という予期せぬ試練に見舞われるも、逆境の中でツキは韓国での存在感を高めていく。音楽番組のMCを任され、外国人メンバーでありながらもBilllieの「顔」として、正念場を乗り切ってきた。
※特定のメンバー1人だけを最初から最後まで追い続けて撮影したフォーカス映像。「チッケム」ともいう





