「セリフが嘘じゃない」大塚明夫が認める後輩声優とは?
――『夏目友人帳』は本当にいい作品で、私も好きです。うまいと思う若手声優はいますか。
大塚 若いところだと、『サマータイムレンダ』『あかね噺』で主人公を演じた永瀬アンナちゃん。彼女はちゃんとここ(心臓を指さす)で芝居をしているので、絡んでいて楽しいですね。
かわいい声を出そうと思っている人って、自分の出番まで息を止めて、自分の番になると声を出すんです。でも、アンナちゃんはちゃんとセリフを人に言っているんです。
――数々の声優さんと共演されてきましたが、大塚さんが好きな声優さんは誰ですか。
大塚 櫻井孝宏くんとか、好きですね。あと、内山昂輝くん。他にも好きな人はいっぱいいるんだけれど、その年代では抜けている感じがありますね。セリフが嘘じゃないんです。嘘をついていない。演技というのはもともとが嘘なんだから、「嘘だよね」と思わせたら元も子もない。やっぱり、嘘でないように思わせなきゃいけない。
櫻井くんなんて、役によっては普通のことを言うだけでおかしくて、笑っちゃいます。「本当はそう思ってないよね」っていうものを、いい加減さで出してくるので、たいしたもんだと思います。そういう芝居の血脈を保っている人には、生き残ってほしいなって、やっぱり思いますね。
――以前、アニメ監督に取材した際、「変な声や変な演技の声優が減っている。みんなイケメンの声ばかりになった」と話していたのですが、大塚さんもそれは感じますか。
大塚 そうですね。変な声や芝居の人は減ってるかもしれない。声優はトランプみたいなものだと思ってます。ハートの2がなかったら、もうトランプはできないじゃないですか? みんなエースやキングになりたいけど、ハートの2を担う人がいないんだったら、そちらに行けば仕事が来るよとは思うんですけど、若い人は誰もそちらへは行かないですね。
