堂々と「無罪」を主張した根拠
事件が報道されると、次々と別の被害者が名乗り出てきた。ショッピングセンターに勤める女性店員(同20)は店の駐車場で声をかけられ、ワンボックスカーに乗せられ、まったく同じ手口で胸を揉まれるなどの被害に遭っていた。
他にも被害者は2人いたが、「和姦」という主張を突き崩せず、結局、渡部はA子さんに対する強姦罪と強要罪、別の女性に対する強制わいせつ罪のみで起訴された。
渡部は公判で時折笑みを浮かべながら、堂々と「無罪」を主張した。
「A子さんは『痛い』なんて一切言わなかったですね。ずっと『はい』しか言わなかったので、同意がないとは思いませんでした。学校に電話をかけたのは、メールを再開してほしかったからです。車の中で『やめてください』と言われたことも一切ないし、脅したこともない。テレビの取材と騙したことだけは悪いと思います。
セックスしたからじゃなく、ウソをついたことに対して謝りたい。アンケートに答えた女性が徐々に性的な要求に応じていくというAVに触発され、同じことがしてみたかった。雰囲気でああなったけど、彼氏がいるって言ってたし、学校にバレたんで、『強姦された』と言うしかなくなったんじゃないですか。自分としては、あのときと同じことができればいいなと思いました」
だが、裁判所は渡部の主張をすべて退け、懲役6年の実刑判決を言い渡した。渡部は有罪の宣告がよほど意外だったのか、茫然とした様子で判決理由に聞き入った。
「被告人の供述は証拠と整合しない上、被害者の同意があったとは認められない。あらかじめアンケート用紙などを用意し、被害者が逃げられないようにして、口淫や肛門性交を強要するなど、執拗で悪質な犯行である。不合理な釈明に終始し、真摯に反省しているとも言い難い」