といっても、リフォームも本土のようには進まない。全てのものを船で運ぶ必要があるため、木材などの材料を少しずつ運んで、自らの手でDIYしているという。どうしても自分でできないところは専門業者に頼むが、輸送手段が限られているため、料金はどうしても高くなる。

「だから、あの棚も、この台も、自分で材料を運んで作ったんですよ。部屋に置く家具も、オンラインで購入したり、ヴィンテージショップやメルカリ、ジモティーなども活用して、少しずつ自分で運んでいます。大変ですけど、なかなかいい空間になっているでしょう」

長く使われていない状態から大掃除をし、空間は自身での手直しやコーディネートをしたという

 できることは、なんでも自分でやる。それは築島さんに限った話ではなく、この島で生まれ育った人にとっては当たり前のことだ。大変なのは間違いないだろう。だからこそ味わえる満足感があるのかもしれない。愛おしそうに宿を紹介する築島さんの顔を見て、そう感じた。

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かつて、選挙の時期には「対岸の本土」から候補者が演説していた

 宿に荷物を置いたら、島の散策に出かける。

 歩いていると、選挙ポスターの掲示板を見つけた。

年季の入った選挙掲示板など、至るところに郷愁を誘う風景が

 選挙はいまでも島内で行われているそうで、投票所は島の集会所。以前は小学校の体育館としても使われていた建物が、現在も管理されながら現役で使用されている。

 選挙といえば、と築島さんが昔の風景を教えてくれた。選挙の時期になると、対岸の舳港に選挙カーが停まったのだという。

「スピーカーで『築島の皆さん、こんにちは』って、向こう岸から演説をしていたんですよ。島の人は、『聞こえてるよ~!!』という意味で、大漁旗を振って島民総出で応えていました」

 いまは島の投票所になっている、学校跡も案内してもらった。