キャプテン・クックの心理作戦

 この最悪な流れを変えたのがキャプテン・クックです。彼はレモンの代わりにビタミンCを含み長持ちするザワークラウト(キャベツの塩漬け)に目をつけました。しかし保守的な船乗りたちはこれを拒否します。そこでクックは「これは高級品だから幹部しか食べてはいけない」と命令し、幹部が美味しそうに食べる姿を見せつけました。船員たちは「俺たちにも食わせろ」と懇願し、結果として3年間の航海で壊血病による死者ゼロという奇跡的記録を打ち立てたのです。一人の知恵が病気を封じ込めました。

進化の代償を払った人類

 ちなみに犬や猫などほとんどの哺乳類は体内でビタミンCを作れるため壊血病になりません。作れないのは人間とサル、モルモットくらいです。我々は、祖先が森に住んでいた頃、果物が溢れていたため「わざわざ体内で作る必要はない」と機能を捨てた、ある種の欠陥生物なのです。その進化の代償として、大地から離れ海へ出た瞬間、人類は200万人もの犠牲を払うことになったのでした。

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