「学生時代にがんばったことは?」「とくに…」

「ええ、一応……」

 副部長は勝手に遠い目をして笑った。

「昔はあのゼミ、花形やったんやで。飲み会もむちゃくちゃ派手でな」

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「そうなんですか」

「俺らのころなんか、ゼミ旅行で琵琶湖行って、そのまま朝まで麻雀しとったわ」

 私が愛想笑いを浮かべながら相槌を打っていると、副部長は勝手に話を盛り上げてくれた。

「学生時代にがんばったことは?」

「いや、とくに、これといって……」

「ワハハハッ! キミは正直やな」

 それで笑いが起きた。

写真はイメージ ©getty

「まあ、ゼミの後輩なら安心やな」

 いつのまにかそんな空気になっていた。

 数日後、自宅に内定通知が届いた。そして、野村、大和、山一からは次々に不採用の知らせが届いた。こうして私は拍子抜けするほど簡単に日興証券に採用された。

次の記事に続く 「自分だけ頭ええとでも思てるんか?」体育会系の同期に胸ぐらをつかまれ、壁際に…新人証券マンを襲った【深夜1時の暴行未遂事件】