産経新聞の麻生評 3年前と読み比べてみると……
毎日新聞は、麻生氏のキャッチコピーが「政権支える毒舌家」。文章のなかでは《失言の多い毒舌家》。
これ、短い表現だけどよく表していると思う。「政権支える」が「失言の多い」ってかなりリスキーな存在であることがわかるからだ。
産経新聞を見てみよう。麻生氏の失言癖をどう紹介しているか。
《聴衆を楽しませようとするあまり、名言のつもりが失言となるリスクも抱える。》
とても気を使っている。
実は、産経の麻生評のこのくだりは3年前はもっと長かった。
《直接会った人物がいっぺんに魅了されるという気さくな人柄は、かつて「半径2メートルの男」と称されたが、聴衆を楽しませようとするあまり、講演などでの発言が時にリスクとなる。》(2015年10月7日)
長い。
失言や放言という言葉を慎重に避けて、一生懸命頑張った産経師匠。「麻生太郎を気持ちよくさせる紹介をせよ」という問題があったら100点の解答ではないか?
しかし3年前に比べると今回はあっさり。麻生氏の問題発言が多すぎてフォローするのがめんどくさくなったのだと思われる。
読売が「ポスト安倍」とまで書いてきた人物
さて新聞を読んでいると気づくのだが、今回の内閣改造&党人事が発表されて以降、紙面で注目されだした人物がいる。
「ポスト安倍 加藤氏急浮上」(読売 10月5日)
自民党の総務会長に就いた加藤勝信氏の記事が急に増えたのだが、読売はなんと「ポスト安倍」とまで書いてきた。
《「首相は加藤氏を首相候補に育てるつもりだ。任期を終えたら派閥会長となり、支援に回るかもしれない」(首相に近い議員)という観測が出ている。》(同)
首相と加藤氏は父親同士も関係が近かったので安倍家とは家族ぐるみの付き合いをしているという。
急浮上の加藤氏だが、顔と名前が一致しない方も多いだろう。そんなときは「閣僚の横顔」を読もう。
日経新聞の書く加藤氏は、
《安倍晋三首相の父、晋太郎氏の側近だった加藤六月氏の女婿となり政界に転じた。》
《第2次安倍内閣で官房副長官に就任。初代の内閣人事局長を務めた。一億総活躍相、働き方改革相、厚生労働相と政権の看板政策を担った。15年の初入閣から一貫して拉致問題担当相を務めた。》
こうしてみると加藤氏は安倍政権が掲げる政策の長にことごとく就いていることがわかる。