「将棋は顔じゃないことを教えてやる」

 伝統文化の将棋界に型破りの企画が実現した。永世竜王資格保持者の渡辺明九段が、イケメン棋士軍団「S6」との対戦を表明したのだ。10月4日に東京・将棋会館「棋の音」にて開催される『渡辺明九段 vs S6』(主催:日本将棋連盟)である。

渡辺明九段

ファンを大切にしてきた渡辺九段にSNS上でノリの良い声援が飛びかう

 渡辺九段といえば棋界を代表する実力者で、40歳を過ぎてもその強さは衰え知らず。一方の「S6」とは『週刊女性セブン』にグラビアで登場した若手棋士6名、伊藤匠二冠、上野裕寿六段、山川泰熙四段、吉池隆真四段、齊藤優希四段、小窪碧四段のことだ。

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 盤上の結果がすべてとされる将棋界において、ニュータイプの棋士像を描き、智と美の二刀流を見せる。さらに今回、小学館からデジタル写真集「S6」も発売されることになった。イベント・チケットは発売と同時に即完売になり、配信チケットも大好評だという。棋界騒然の対決を10倍楽しく観るガイドをお届けする。

「魔王よ、若き勇者たちを返り討ちにしてくれ!」

「全力で渡辺先生応援! S6を粉砕して」

「顔じゃないところを見せてください」

 SNS上にはノリの良い声援が飛びかっている。その中でも渡辺明九段への声援が大きいのは、彼が幾多の名勝負を残し、長年にわたってファンを大切にしてきたからだ。

別格の輝きを放つ才能に「魔王」の異名

 将棋界に詳しくない読者のために渡辺明九段をあらためてご紹介しよう。

 プロになることが極めて難しい将棋界において、2000年に史上4人目の中学生棋士としてデビューした。ちなみに5人目は藤井聡太六冠であり、それ以降に中学生棋士はまだ誕生していない。渡辺は20歳で将棋界に8個(当時は7個)あるタイトルの最高峰「竜王」を奪取し、これまでに6個のタイトルを通算31期獲得している。天才集団と言われる棋士の中でも、その才能は別格の輝きを放つ。誰が呼んだか、敬意を込めて「魔王」の異名がついた。

 経歴が凄すぎて別次元の生き物のように思えるが、素顔は動物のぬいぐるみを愛する心優しき男である。棋史に残る名言「将棋は顔じゃないって教えてやる!」は、渡辺が「人間将棋」のイベントで棋界随一の二枚目・都成竜馬七段との対戦で発した言葉で、彼ならではのユーモアとサービス精神が込められたものだ。

 今回の対戦は、渡辺がSNSでS6メンバーに「将棋でかかってこい!」と発信したことがきっかけになった。本人はイケイケの討伐気分かと思いきや、話を聞くと「勝率が高い棋士が選ばれているので、自分にとっては厳しい対戦になると思います」と冷静な返答が返ってきた。