動画配信者の牧亮被告(当時32)は、妻のA子さん(当時30)に対し日常的な暴力や暴言を浴びせ、性行為動画の撮影とネット販売を強要して生計を立てていた。2024年9月、A子さんが脳挫傷で意識不明の重体に陥り病院へ搬送されたことで、警察が殺人未遂事件として捜査を開始。過酷なDVとマインドコントロールの実態が明らかとなった。

 捜査の手が伸びるなか、事件はさらなる展開を迎える——。

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アパートの名義人B子さんも被害者だった

 牧被告とA子さんが住んでいたアパートを調べたところ、まったく無関係なB子さん(当時29)という女性が名義人になっていることが分かった。B子さんに事情聴取したところ、「牧に性行為の動画を撮られ、ネットで販売する関係が6年ほど続いている」と話し、同署は新たに出現した別の事件にも取りかかることになった。

牧被告に「もっと広い家を契約しろ」と言われ、B子さんが2019年8月に契約していたアパート(名古屋市)

 2018年2月、B子さんは大学を卒業する頃、マッチングアプリで牧被告と知り合った。まもなく保育園で働くようになり、一人暮らしを始めた。

 そこに牧被告が入り浸るようになり、「2人で会っているところを会社の人に見られてクビになった。責任を取れ」などと言われ、ビンタされたり、髪を切られたり、殴る蹴るの暴力を受けるようになった。さらに性行為の動画を撮られ、ネットで販売されるようになった。

 その後、勤務先の保育園の園長がB子さんの顔や太ももにアザがあるのに気付き、警察に相談した。B子さんの両親が警察に呼ばれて間に入り、B子さんの父親が牧被告に電話をかけ、「今後は娘とかかわるな!」と怒鳴りつけた。

 同年6月にはアパートを解約してお互いの実家に戻ったが、実際には別れていなかった。牧被告が「仕事を失い、実家に居づらい」と言うので、代わりにアパートを借りたのが不幸の始まりだった。

 B子さんと牧被告は半同棲状態になり、また暴力を振るわれるようになり、B子さんの裸の動画をサイトで売って、それを家賃の支払いに充てるようになった。B子さんが嫌だと言えば、暴力を振るわれ、親や職場に写真をバラまくと脅された。