――海外の店舗で、2000年代の商品を回収に出そうとしたところ、店員に止められ、リペアまでしてもらったという投稿がXで話題になりました。
mihra とてもいい話だと思いました。古いから回収するのではなく、「これは残したほうがいい」と価値を見いだし、直して着られる状態にした。昔のロゴが海外の人にも珍しく映ることが分かったのも興味深かったです。
価格ばかりが先行すると、オールドユニクロがお金儲けの対象に見えてしまいます。でも、修理して着続けることは、まったく違う価値の示し方ですよね。
――発信することで価格が上がる可能性もあります。それでも活動を続ける理由は?
mihra 僕は価格を決めたいわけでも、市場を大きくしたいわけでもありません。単純に、個人で調べられることには限界があるので、オールドユニクロのことを知ってもらうことで、当時を知る人から情報が寄せられたり、未知の商品や資料が見つかったりする可能性がある。それが一番の狙いです。
高くても買いたいのは、その服にしかない歴史
――正直、ユニクロは昔のほうがよかった?
mihra むしろ逆ですね。歴史を調べてきたからこそ、店舗へ行くたびに「本当にすごい企業になったな」と感動を覚えます。
初期は同じ年代でもサイズや仕様がばらばらでした。そこから試行錯誤を重ね、現在は品質を均一化し、世界中で膨大な量を安定して販売している。現行のユニクロUやユニクロCも、普通の消費者として楽しんでいます。
――最後に、なぜ新品時より高くなっても、オールドユニクロを買いたいのでしょう?
mihra その一着でしか知ることのできない歴史があるからです。どんな時代に、何を目指して作ったのか。タグや素材、シルエットから、それまで知らなかったブランドの姿が見えてきます。
大量生産された日常着なので、当時は誰も将来の資料になるとは考えていなかったと思います。だからこそ、いま残っているものには価値がある。僕が「高くても買いたい」のは、その服に息づくユニクロの歴史なんです。
mihra(ミフラ)
オールドユニクロ研究家。山梨県出身で、現在は関西地方在住。シューズメーカーでデザイナーを務めた後、フリーランスのデザイナーとして活動。約7年前からオールドユニクロの収集と研究を始め、現在は約1000着を所有する。オールドユニクロなどの古着をリメイクした服をポップアップで販売する活動も続ける。https://www.instagram.com/u_c_w_m/
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