横穴は防空壕ではないかという人もいれば、井戸を造る計画のためだったという人もいて、判然としなかった。ただ、少し前まで、そこに住み着いている人がいたと教えてくれた。確かに雨風は防げて夏は涼しいが、こんなところで寝ている人を発見したら、驚いて心臓が止まりそうになるだろう。今はいないということで、少しホッとした。

反対の西側坑口

「これまでに6、7台は救援したかな」

 私は、最新の技術で造られた長大なトンネルも好きだが、必要に駆られて素人が自力で掘った隧道が大好きだ。全長60mの隧道で上下に2m近いズレが生じる。その過程や理由には、ドラマが詰まっている。こうした人間味にあふれた泥臭さが何よりも愛おしい。

 聞き込みを行った際、「他所から来た人がしょっちゅう隧道の手前で脱輪している。これまでに6、7台は救援したかな」とおっしゃっていた。実際に現地を訪れる際には、自分の身を守るとともに、地域住民の迷惑にならないことを第一に考えて行動してほしい。

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上の竹林が今にも崩れてきそうだ

 最近、複数のテレビ番組で紹介されたこともあり、訪れる人が増えているようだ。紹介したのはいずれも私なので、少し責任を感じており、注意喚起しておきたいと思う。軽自動車であれば車幅的にはギリギリ通過できるが、車高が1.7mよりも高い軽自動車は岩にぶつかって通過できない可能性がある。通過できなければ、車幅ギリギリの平均台をバックで戻るしかない。運転に自信がない方は、徒歩で散策することをお勧めする。

隧道を抜けたあとも狭い道が続くが、脱輪の心配がないだけマシだ

 こんなギリギリの隧道でも、先人たちの苦労によって開通し、今でも必要とする人がいることを忘れずに通行してほしい。

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