始業前のラジオ体操、休憩中の電話対応、出張での移動時間……。「仕事ではない」と思ってこなしてきたその時間、実は残業代を請求できるかもしれません。
知らないと損する“グレーゾーンの労働時間”を、弁護士・佐々木亮氏が著書『職場のトラブル即解決!あなたを守る労働法』(徳間書店)でわかりやすく解説する。(全4本の3本目)
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トラブルケース1:会社行事や始業前の体操は労働時間には含まれないのか?
始業時刻は9時ですが、週に2回、8時50分から体操をすることになっています。よく考えてみると、その日は所定労働時間を10分超過して働いているわけです。残業にはなりませんか? それに会社には野球部があり、都市対抗野球の予選では日曜日に応援に駆り出されています。これも休日出勤にならないのでしょうか?
解決策:行事や始業前の集合が指揮命令下にあれば労働時間に該当する
所定労働時間は労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を指します。
そこで会社から「8時50分には出社してください」と言われていれば労働時間に含まれ、残業になります。ただ、体操への参加は任意で自由とされていれば指揮命令下とはいえず、労働時間とはいえないでしょう。
野球の応援にも同じことが言えます。任意なら、労働時間にはなりません。しかし、「会社の行事として参加してください」と言われたり、「○○部からは○人を応援に出してください」と命じられたりしていれば業務にあたり、労働時間になります。
ここで難しいのが、明確な命令がなく、あくまでも「任意」とされているケースです。「参加はあくまでも自由です」とされていても、「自分だけ欠席しにくい」という雰囲気があり、参加している場合です。このようなケースでは労働時間とはならないでしょう。これは応援に限らず、歓送迎会や運動会などの会社行事にもあてはまります。
ただ、不参加が「協調性に欠ける」とされ、査定に影響を及ぼすなら、「任意」といえども労働時間とみなされる可能性が高くなります。
