「脚を切断しても助からないかもしれない」医者から連絡を受けた母親は家族全員に電話をかけたが…
――医師の言葉からしても、命が危ない状況だった?
キャンディー 後からお母さんに聞いたんですけど、その日は実家のある沖縄で花火大会があったらしく、その帰り道に病院から連絡が入ったそうで。
「娘さんは今は意識がありますけど、むしろ意識がある方がおかしいくらい、予断を許さない状態。脚を切断しても助からないかもしれないので、一番早い便で病院に来て下さい」と言われたそうです。
それでお母さんが家族全員に電話かけまくったけど、「みんな全然電話に出なかった」って怒ってました(笑)。
――術後に目を覚ました時のことは覚えてますか。
キャンディー 「あ、助かったんだ。良かった」と思って。脚がないことは事故の時から分かってたんですけど、看護師さんたちは気を遣ってそこには一切触れず、タオルケットで隠した状態になっていました。
切断しても脚の感覚はまだあるので、事故で突然脚をなくした人は最初気づかないんです。だから術後すぐは患者に見せないようにするんですね。
――急に知ってパニックにならないように。
キャンディー そうです。命を絶とうとする方とかもいるので、告知は慎重にするんです。ただ、自分の場合はすでに知っていたし、タオルケットはかけられてたけど、脚がないからそこだけ凹んでいて、それでわかるというか。
緊急手術後、母親にピースサインを見せたワケ「これ以上悲しませたくなかった」
――知っていたとはいえ、改めて見てショックを受けることはなかったですか。
キャンディー 看護師として働く中で脚がない患者さんをまだ見たことがなかったので、「こんな感じなんだ」っていう、看護師的な見方をしてたかもしれないです。
「右脚はないし右手も動かないけど、左脚は擦り傷くらいだし、左手も内臓も大丈夫。これくらいで済んでよかったな」みたいな感じでした。
――その時はすでにご家族もそばにいて?
キャンディー 沖縄から飛んできてくれたみたいで、家族はすでに病院にいました。
母はすごい感情豊かな人なんで、私が何かしゃべらないと泣いちゃうだろうなと思ったんですけど、気管に挿管されてて声も出せないから、とりあえずピースサインして、「大丈夫だよ」って合図をしました。
――そんな気遣いもされて。
キャンディー 私が泣いたらお母さんも絶対泣いちゃうんで、母の前では涙を見せないようにしていました。五体満足で産んでもらったのに、突然脚を1本なくして親不幸をしてしまったので、これ以上悲しませたくなかったんです。
