「ごめん。俺、指全部あるって言ったけど…」兄から謝罪された理由
――ご自身の状態も冷静に受け止められてますよね。
キャンディー あ、でも、右手の小指がなくなっていたのは知らなかったので、驚きました。
ICU(集中治療室)にいる時、兄が先生に「手の指は全部ありますか」って確認してくれたみたいで、「全部あるらしいよ」と教えてくれてたんですけど、一般病棟に移って包帯を取ったら右手の小指の先がなくて、「ごめん。俺、指全部あるって言ったけど、小指なかったみたい」って謝られました(笑)。
でも、後でなかった爪が再生したので、人間の生命力ってすごいなと。
――術後、医師からはどんな説明があったのでしょうか。
キャンディー 改まって説明とかは全然なくて。ICUから一般病棟に移った時に、当直で対応してくれた先生が会いに来てくれて、「君、ほとんど死にかけだったけど、あんな状態でも意識がある人は初めて見たよ」って言われました(笑)。
その後にレントゲン画像を見せてもらった時に骨盤も折れていることを知って。「まだ子ども産んだことがないんですけど、自然分娩できないんですか?」と聞いたら、「プレートで固定してて骨盤が広がらないから無理かも」と言われて、だいぶショックでしたね。
ただ自分は最初、義足をつければ元の生活に戻れると思ってたんですね。
事故から数日で「脚がなくて働けなくなるので退職です」と言われ…
――はい。
キャンディー だけど、事故から数日しか経ってない段階で、「仕事は退職になった」と家族から聞かされて。
――看護師として働いていた職場を辞めさせられた?
キャンディー 「脚がなくて働けなくなるので退職です」と言われたみたいで。大学で4年間頑張って勉強して、看護師として働きはじめてからまだ3ヶ月しか経ってないのに、もう看護師として働くことはできないのかと思うと悲しくて、ショックを受けました。
その時にはじめて右脚切断の重さを自覚したし、障害者になった現実を目の当たりにして、涙が出ました。
撮影=鈴木七絵/文藝春秋
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