家族が脚元に座ろうとした瞬間、「踏まれる!」という感覚でビクッとなり…

――治療法はあるんですか。

キャンディー 最初は医療用麻薬や神経障害用の薬を最大量飲んでいたんですけど、それでも30分に一回は目が覚めてしまうほどの痛みでした。

 幻肢痛は中途障害の人にしかないものなので、気持ちの問題というか、脚がない現実に脳が追いつけていないんだと思います。私はもともとダンスもバレエもやっていてかなりアクティブなタイプだったこともあり、体を使っている人ほど、幻肢痛の症状が強く出やすいというのはあるかもしれません。

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 あと、脚はないので当然そこに物を置かれても何も感じないんですけど、家族が脚元に座ろうとした瞬間、「踏まれる!」ってビクッとしちゃうこともよくありましたね。

事故で右脚を切断した(キャンディーさんのXより引用)

骨頭が潰れて、「一生車椅子になるかもしれない」と説明された

――事故直後に病院から退職を言い渡されたそうですが、キャリアについてどんな風に考えましたか。

キャンディー それで言うと、切断した右脚の骨頭が壊死していて、義足をつけて体重をかけてしまうとさらに骨頭が潰れて、「一生車椅子になるかもしれない」と説明を受けたんですね。

――義足をつけることがリスクになってしまうと。

キャンディー だから、最初から車椅子中心の生活を選んだほうが、今後痛みも出にくいし、脚の寿命は長くなる可能性が高いということもあって、主治医からは、「ハードな立ち仕事の看護師でなく、デスクワーク中心の保健師なら脚の負担も少ないし資格も活かせていいのでは」と、キャリアシフトも提案されました。

 ただ自分としては寿命を延ばしてやりたいことを諦めるより、ハイリスクであっても、「やりたいことをやり切って車椅子になる方がいい」と思ったんです。

――一生車椅子になるかもしれないとしても、看護師の道を選ぼうと。

キャンディー 諦めたら一生後悔するだろうし、別の道に進んだとして、看護師になれなかったことを事故や誰かのせいにするのも嫌だなと思ったんです。

「やってみてだめだった」と「やらずに終了」とでは自分の気持ちが全然違うから、「骨が潰れても、一生車椅子になってもいいから挑戦したい」と先生には伝えました。