事故から1年半後に元の職場に復帰「感動とかっていうよりも…」
――大変な義足にも挑戦することで、看護師として復職することができたそうですね。
キャンディー そうですね。事故から1年半後くらいに、元の職場に戻ることができました。
――職場に戻って改めてどんな思いがありましたか。
キャンディー 感動とかっていうよりも、普段の流れ通りカルテから情報収集して点滴準備して、めちゃくちゃ普通に働きました(笑)。
――YouTubeも始められたんですよね。
キャンディー 事故後すぐに退職を言い渡された時から、「いつか復帰して、“義足の看護師”として発信しよう」と決めていました。やっぱり自分も「前例」が欲しかったので。
――モデルケースというか。
キャンディー 探してみたら、義手の看護師さんはいたんですけど、義足の方は見つけられなくて。
だから、「義足でもこんなに働けますよ」とか、「人生楽しめてます」みたいなことを発信して自分が前例になることで、看護師だけじゃなくて、障害を持っている方の参考になればいいなと思ったんです。
今の自分の姿は「『ハガレン』みたいでいいなって」
――義足になったことで視線を感じることもありますか。
キャンディー そんなに感じませんね。皆、周りをあんまり見てないんで。でも、見られたとしてもそんなに抵抗もないっていうか。
――話しかけられたことはあります?
キャンディー あ、あります。同じ義足の人に「お仲間ですね」みたいな感じで声をかけられたりして。逆に、高齢者の方やたまに若い方にも嫌な顔をされたり心無い言葉をかけられたこともありますけど、思っていたより皆わりと「カッコいいね」って反応ですね。
――キャンディーさんはご自分の今の姿をカッコいいと思いますか?
キャンディー めっちゃ思ってます(笑)。「ハガレン」(編注:漫画『鋼の錬金術師』)みたいでいいなって。
――たくさん聞いといてあれですけど、事故のことを思い出すとしんどくなったりしないですか。たとえば、フラッシュバックがよくあるとか。
キャンディー 全然ないですね。
――そうなんですね。
キャンディー 夜、対向車線からの車の光が怖いことはたまにありますが、ほとんどありません。事故に遭って良かったとかは絶対思わないんですけど、でもそれが悲しい記憶として残っているわけではないというか。
言い方が難しいんですけど、「たまたまあったこと」っていう、自分にとってはひとつの出来事でしかないんです。
撮影=鈴木七絵/文藝春秋
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