きつい抗がん剤投与の翌日は1日ぐったり…毎週病院に行くことも

――現在は、抗がん剤治療のために通院しておられる。

小枝 はい、現在は一時的に休薬してますが、治療の種類や体調次第で3週間に1回、2週間に1回などと上手くスケジュールを調整して抗がん剤を投与するために病院へ行きます。そして経過観察のために数日後にまた行くため、毎週病院に行くことも当然ありました。

 抗がん剤は2024年春から使い始めましたが、使用した治療薬の中には副作用で強い倦怠感に襲われるものも多く、私は学業に支障が出来る限り出ないように週末に合わせて治療、通院するように上手く調整していました。きつい抗がん剤を投与した翌日は何を食べる気にもならず、1日ぐったりしていることが多かったです。

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がんになった医学生さん(小枝さん)。2026年に撮影したもの。学会参加後に横浜中華街で中華料理を食べたのだとか

闘病生活で辛かったストーマ(人工肛門)の受け入れと治療方法の選択肢

――闘病生活において、辛かった体験を教えてください。

小枝 もちろんいくつもありますが、大きく2つあります。

 1つ目は、ストーマ(人工肛門)をつけたときです。2024年春に治療を開始して、だいたい3ヶ月後の同年7月に人工肛門になったと記憶しています。多くの人と同じように、私も、これまでの人生で排泄行為を意識したことはありませんでした。けれども、人工肛門をつけるということは、その排泄さえも自然にはできないということです。その現実を受け入れるのに時間がかかりましたし、多くの人にとって意識さえされない日常生活がずいぶん遠のいてしまったことに悲観を抱かずにはいられませんでした。

ストーマ造設後、感染症に。処置のなかで体に発疹が出た

 2つ目は、2025年の1月の受診で「腹膜播種があるため、コンバージョン手術ができない」と言われてしまいました。現在の私の病態は、腹膜播種といって、無数のがんが身体に散らばっている状態です。コンバージョン手術というのは、当初は切除不能とされたがんに対して薬物治療との組み合わせによって予後の延長、それから何とか寛解を目指す治療になります。要するに、それが出来ないとなると状況は今後更に厳しくなるということです。がんを克服し、医師になることを希望していた私にとって、この結果は非常に落胆するものでした。