家族との「今日、大学でこんなことがあった」という会話

――ご両親は、そんな小枝さんを知っている。

小枝 どうでしょうか、わからないです。けれども、私ががんを告知されてから、逆に両親は滅多に涙を見せないですね。本当はどのような気持ちでいるのか、わかりません。辛くないはずはないでしょう。

 これまでの感謝はあるはずなのに、私はまだそれを両親に伝えきれていません。昔から、そういう性格ではないんです。本当は心から感謝をしているのに、どこか恥ずかしい気がしてそれを伝えられない。そういう点でも、病気になって、自分の未熟さを突きつけられますね。

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がんになった医学生さん(小枝さん)。東日本のほとんどの大学の医学部が参加する「東日本医科学生総合体育大会」の応援に出向いた際の一枚

――スキルス胃がんと告知されてから、ご両親とはあまり将来の話をしなくなってしまいましたか。

小枝 確かにそうかもしれません。普段から遠い将来の話をしていたわけではないですが、先の話をする機会はそれよりもぐっと減ってしまいましたね。もっとも、もとから「◯◯病院に勤務したい」とか、そんな話をたくさんしてきたわけではないのですが……。

 ただ、ありきたりかもしれないけれど、「今日、大学でこんなことがあった」「近くのこのお店、美味しいらしいよ」というような会話は相変わらずしていますね。その会話は心地良いし、それでいいと思っています。

――SNSでも、小枝さんは一貫して「医師になりたい」と言い続けています。

小枝 はい、医師になることは諦めていません。本当の意味で患者に寄り添う医師になりたい。その気持ちは、現在も変わっていません。

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