テーマパーク業界の苦難が続く中、入園者数を7万人から21万人へと3倍増させた「別府ケーブルラクテンチ」。

 前編では地元企業による買収と現場改革を取り上げたが、再建が軌道に乗りかけた矢先、2020年のコロナ禍が襲う。絶望のなかで打ち上げた花火、そして思い出を取り戻す「温故知新」の挑戦を経た結末とは。

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コロナ禍の夜空に打ち上げた花火

 地元企業による買収、さまざまな現場改革といった取り組みが実を結び、2019年には、来場者数が2017年比で150%増加。しかし、再建が軌道に乗り始めた矢先の2020(令和2)年、新型コロナウイルスの感染拡大がラクテンチを再び苦境に追い込んだ。

 出勤人数を極力絞り、赤字を出さないよう耐え凌ぐ日々。しかし、立ち止まるつもりはなかった。

「コロナが明けてから準備したのでは遅い。苦しい今だからこそ、いつお客様が戻ってきてもいいように準備をし続けよう」

 苦境のさなかだからこそ生まれた企画もある。地域の祭りが相次いで中止されたなかで「子どもたちに少しでも夏の思い出を残したい」と夏祭りを開催し、花火も打ち上げた。

「『ラクテンチに来なくてもいいので、夜8時になったら山の中腹にあるネオン看板の上を見てください』と地域の皆さんにお知らせしました。打ち上げ花火を通して、少しでも別府に元気を届けたかったんです」

 夏祭りは現在も8月13日から15日に開催されている。「お盆にはラクテンチで花火が上がる」という風景を、次の世代にも残していきたいという。

 卒業行事が中止になった地元の小学6年生を招き、園内に桜を植えてもらう取り組みも始めた。一通一通大切にファイリングされた子どもたちから届いた感謝の手紙を眺めながら、西社長は「これが本当にうれしくて」と顔をほころばせる。